生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成22年10月10日
 
 

文化と生涯学習 (ぶんかとしょうがいがくしゅう)

culture and lifelong learning
キーワード : 科学・芸術・道徳、文化活動、自ら行う文化活動、文化芸術総合的領域
関貞雄(せきさだお)
1.文化・文化活動ー生涯学習の対象・内容
  
 
 
 
  【説明】
1)文化とは
 文化という語は、ラテン語のcultura(耕すこと、養成等の意味)を語源とする英語のculture、ドイツ語のKulturなどの訳語である。文化には、大別して次の二つの用法がある。
 その一つは、文化とは、人間が社会の成員として、学習によって習得し、共有し、かつ伝達する知識、道徳、芸術その他生活様式の体系であるとする考え方に基ずく用法である。これには次の3つに分ける考え方がある。すなわち、ア.精神文化(科学、芸術等)イ.物質文化(機械、建造物等) ウ.行動文化(言語、道徳等)である。この文化の考え方は、主としてアメリカやイギリスなどの思想に由来する。
 もう一つの文化の用法は、自然や社会を材料として人間が最高の価値を追究する過程で、生み出されたものが文化であるとする考え方による。その追究する価値により3つに大別される。すなわち、主として真を追究する科学と、善という価値を追究し会得する道徳、および主に美を追究する芸術とに大別される。この文化の考え方は、精神文化を中心とするドイツの思想に由来する。以上の後者による文化の構成は、下記のような領域・分野とそれに含まれる学術や芸術等からなる。また、これらの領域・分野の組み合わされたものに総合の領域がある。
ア.科学の領域(細目は省略)
 ・人文学(哲学、文学、言語学、史学、人文地理学、文化人類学)・社会科学(法学、政治学、経済学、経営学、社会学、心理学、教育学ー生涯教育を含む)・数物系科学(数学、天文学、物理学、地球惑星科学、プラズマ科学)・化学(基礎化学、複合化学、材料化学)・工学(応用物理学・工学基礎、機械工学、電気電子工学、土木工学、建築学、材料工学、プロセス工学、総合工学)・生物学(基礎生物学、生物科学、人類学)・農学(農学、農芸化学、林学、水産学、農業経済学、農業工学、畜産学・獣医学、境界農学)・医歯薬学(薬学、基礎医学、境界医学、社会医学、内科系臨床医学、外科系臨床医学、歯学、看護学)・総合領域(情報学、神経科学、実験動物学、人間医工学、健康・スポーツ科学、生活科学、科学教育・教育工学、科学社会学・科学技術史、文化財科学、地理学)・総合新領域(環境学、ナノ・マイクロ科学、社会・安全システム科学、ゲノム科学、生物分子科学、資源安全学、地域研究、ジェンダー)
イ.芸術の領域
 ・美術(日本画・洋画、版画、彫刻、彫朔、建築、書、工芸、陶芸、生け花、写真、映画等)・文芸、文学(詩、小説、戯曲、随筆等)・音楽(作曲、演奏、指揮等)・舞台芸術(演劇、オペラ、ダンス、ミュージカル、歌舞伎、能、狂言、文楽等)・デザイン(ファッション、グラフィック、イラストレーション、空間等)
ウ.道徳の領域 
 ・道徳的規範や意識・道徳性(道徳哲学、道徳心理学、道徳社会学
社会生物学等)・倫理学(規範倫理学、メタ倫理学、応用倫理学ー生命倫理学等)
エ.総合の領域                        
  環境問題、資源・エネルギー、社会福祉、健康・スポーツ、美容、国際理解、庭園等
 なお、文化には下位文化(サブカルチャー)がある。文化の一部を構成して相対的独自性・特徴をもつものである。
2)文化活動
 文化活動には、人びとの文化芸術の鑑賞・創作・発表および趣味・教養等の学習活動がある。(「2.生涯学習としての文化活動」参照)
 
 
 
  参考文献
・山本恒夫「生涯学習と文化活動」日本生涯教育学会編『生涯学習事典』東京書籍1990年232頁、                   
・関貞雄「地域生涯学習社会の具現化に関する一考察」神奈川大学心理・教育研究論集第21号 2002
・石川栄吉 梅棹忠夫 大林太良 蒲生正男 佐々木高明 祖父江孝雄編『文化人類学事典』弘文堂 昭和62(1987)年、666〜667頁(「文化」)
・柳田國男監修『民俗学辞典』東京堂出版 1991年 510頁(「文化遺産」)
 
 
 
 
  



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