生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成21年9月12日
 
 

生涯学習研究の対象と方法 (しょうがいがくしゅうけんきゅうのたいしょうとほうほう)

subject and method of the research of lifelong learning
キーワード : 研究領域研究目的研究方法計算研究ホーリズム
山本恒夫(やまもとつねお)
1.生涯学習研究の対象
  
 
 
 
  【字義】ある学問が学として成立するためには、独自の研究対象があり、研究方法が自覚されていなければならないが、生涯学習研究の場合に、研究対象がどうなっているかを示すもの。
【説明】
 生涯学習研究の対象は、生涯にわたる学習、生涯学習支援の両方である。それらは生涯学習学独自の研究対象といえるであろう。
 ただし、連続的は生涯にわたる学習を生涯各期の学習に区切って、成人期の学習や高齢期の学習のみを対象としたり、たとえ連続性の観点で捉えていても、生涯学習の一部だけ(たとえば青少年期から成人期のそれ)を取り出したりした場合には、成人教育学や高齢者教育学、アンドラゴジー等との重複研究対象となってしまい、生涯学習学独自の研究対象とはならない。
 また、生涯学習支援にしても、それをたとえば学校教育、社会教育、家庭教育等に分けて、それぞれを個別に研究しようとすれば、それは学校教育学、社会教育学、家庭教育学等との重複研究対象となってしまい、生涯学習学独自の研究対象とはならない。
 ただ、生涯学習の研究では、他の学問と協力して、これらの重複研究対象の研究も行われている。
 生涯学習学独自の研究領域としては、以下のような領域がある。
 1. 生涯学習について:生涯学習本質論、生涯学習特性論
 2. 生涯学習支援について:生涯学習支援論、生涯学習支援構造論、生涯学習機会選択援助論、生涯学習機会提供論、生涯学習成果認定・認証論、融合的生涯学習支援論
 3. 生涯学習と生涯学習支援の関係について:生涯学習・支援関係論、生涯学習・融合的支援関係論
 これらは、生涯学習振興行政が他行政から独立して成り立つかというときの独自領域に反映されている。
 中央教育審議会答申「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について〜知の循環型社会の構築を目指して〜」(平成20年2月)は、
 1 生涯学習社会の実現を目指した生涯学習の機会の整備のための施策(学習情報を提供することや学習者のための相談体制を整備すること、潜在的な学習需要を持つ人々に対しても適切な配慮を行い、学習意欲を高めるための啓発活動を行うこと、関係行政機関等の各種施策に関し連絡調整を図る体制を整備すること等)
 2 生涯学習の成果を適切に生かすことのできる社会の実現のための施策(成果を生かす場や成果を生かすための評価のための制度の構築等)
の2つを独自領域としてあげている。
 広範な生涯学習推進事業をも視野に入れた広義の生涯学習振興行政にあっては、社会教育行政がその中核的な役割を担うことが期待されるという従来からの考え方に変わりはない。
 
 
 
  参考文献
・山本恒夫「生涯学習学と生涯学習支援」(日本生涯教育学会年報第18号、1997)、
・山本恒夫「生涯学習学の研究対象についての検討」(安田女子大学編『安田女子大学大学院博士課程開設記念論文集』1997、125〜135頁)
 
 
 
 
  



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