生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成18年11月25日
 
 

専修学校改革の動向と課題 (せんしゅうがっこうかいかくのどうこうとかだい)

キーワード : 大学入学資格編入学専門士評価システム
今野雅裕(こんのまさひろ)
1.専修学校制度の発足と現状
  
 
 
 
  ア.制度発足の経緯
 専修学校制度は、昭和50(1975)年の学校教育法の一部改正によって創設された学校制度である。学校教育法の第1条に規定される正規の学校(幼稚園、小・中・高等学校、障害児学校、大学、高専)ではなく、法第82条の2以下に規定する教育機関とされている。
 この学校制度の母体は各種学校制度(法第83条に規定)である。各種学校制度は戦前からある制度で、学校教育に類する教育を行うものとされていた。戦後は、特に、和洋裁や理美容、調理、タイプなどの技能教育で社会的に一定の役割を担っていた。昭和30年代後半以降、その社会的に果たしている人材養成機能に着目して、一定水準以上の各種学校を一段高い規制の中で振興していくことの必要性が叫ばれるようになっていった。しかし、当時、各種学校制度改革は、外国人学校、特に韓国・朝鮮人学校の位置付けをめぐって、激しい論争の中にあり、改正法案は昭和40年代を通して国会に度々提案されたが、対立のあおりを受け、成立を見るには至らなかった。その後、外国人学校は各種学校制度内で処理することとされたために、やっと専修学校制度創設として、日の目を見るに至った。
イ.現状
 専修学校は、一条学校とは違い、「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的」とした実践的、技術・技能的、教養的な幅広い多様な教育を行う機関と位置づけられた。課程は、高校レベルの「高等課程」(高等専修学校)、短大レベルの「専門課程」(専門学校)、広く一般の人を対象とする「一般課程」の3種類となっている。
 このうち、規模も大きく、最も成功したのは専門学校である。制度創設以来、一貫して成長し、平成17(2005)年現在、学校数は総数2,973校、学生総数は70万人となっている。短大の480校、22万人に比べても、はるかに大きな学校規模となり、いまや、4年制大学に次ぐ第二の高等教育機関の位置を占めるに至っている。高校卒業者の専門学校への進学率も23%となっている。国公私別に見ると、私立が学校数で93%、学生数では96%を占めるなど、私学が支える学校制度と言える。
 専門課程の修業年限は、法令で1年以上とされているが、目指す教育に応じて、学校ごとに多様に定められる。最も多いのは2年制課程で、全体のおおむね8割を占める。専門学校の学生数を専攻分野別に見ると、最も多いのが医療系(看護、歯科衛生、臨床検査、理学療法など)で30%、次に文化・教養系(外国語、デザイン、芸術など)18%、工業系(機械、電気、情報、コンピュータなど)16%、衛生系(栄養、調理、理美容など)13%、商業実務系(簿記、会計、観光、ホテルなど)11%、教育・社会福祉系(保育、介護など) 10%などとなっている。
 学生数を男女別に見ると、男子対女子の割合が46対54と男女ほぼ拮抗している。女子の比率が圧倒的に高い短大(96%)とは大きな違いがある。就職状況も好調で、平成17(2005)年3月段階で、就職率は大学60%、短大65%に比し、専門学校は78%の高い率を保っている。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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