生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成21年8月29日
 
 

専門図書館 (せんもんとしょかん)

special library
キーワード : 専門図書館協議会親機関ヘルスサイエンス情報専門員
長谷川昭子(はせがわあきこ)
1.専門図書館の現状
  
 
 
 
   専門図書館とは、企業や団体などの組織(以下、親機関という)の業務の支援機能として設けられ、主に親機関の構成員に役立つ情報を提供するために設置された図書館である。親機関の主題分野を中心に、公共図書館を始め他館種の図書館では、十分に提供できない専門的資料・情報を収集・提供している。
 専門図書館協議会(専図協)では、専門図書館を「官庁の図書館、地方議会の図書室及び民間企業、各種団体、大学、調査研究機関の図書館等」(定款第3条)と定義している。主題分野は多岐にわたり、人文・社会科学系から、自然科学系まで幅広い。中には、教科書を重点的に収集した教科書図書館、レコードやオーディオカセットを収集した音楽資料室、映像フィルムを収集した映像ライブラリーなどもある。専門図書館には一般公開しているところも多く、国や地方自治体が設置する専門図書館では、限定公開も含むと、9割以上の図書館が公開している。親機関の構成員に対する情報提供が目的であっても、実質的には公共図書館のように広く利用されている専門図書館も多い。専門図書館は、専門的な資料・情報を提供することによって、国民の生涯学習を支援している。
 専門図書館には、一部を除き、設置を規定する法律はない。大部分の専門図書館は、親機関の任意による設置である。設置を規定する法律がないため、専門図書館職員のための法律上の資格は存在しない。民間の認定資格制度としては、平成15(2003)年に日本医学図書館協会の設立したヘルスサイエンス情報専門員認定試験制度がある。同制度は、保健・医療系学部の大学図書館や病院図書館の職員の能力向上を目的としている。
 専図協では、3年に1度、わが国の専門図書館や情報センター等に関するデータを網羅的に集録した『専門情報機関総覧』(以下、『総覧』という)を刊行している。『総覧』2009年版に掲載されている機関は1,761館である。この中には、特殊コレクションを持つ公共図書館や大学の学部や研究所に附設される図書館(室)、および美術館等に附設される図書館や資料部門等も含まれている。これらは、それぞれ公共図書館や大学図書館の特性が強く、また、美術館等に附設される図書館等は、一般的な図書館業務を行っていない場合が多い。以上のことから、これらを除くと、実質的な専門図書館数は916館となる。916館の親機関の設置主体別の内訳は、次の通りである。
 1)国(政府)関係機関・独立行政法人:166館(18.1%)
 2)地方議会・地方自治体:247館(27.0%)
 3)学会・協会・団体:178館(19.4%)
 4)民間企業・その他:325館(35.5%)  
 
 
 
  参考文献
・専門図書館協議会『専門情報機関総覧』2009年版、専門図書館協議会、平成21年
・図書館情報学ハンドブック編集委員会編『図書館情報学ハンドブック』第2版、丸善、平成11年(前園主計、高山正也[ほか]「7.12専門図書館」)

 
 
 
 
  



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.