生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成26年11月10日
 
 

高齢者大学における協調学習の有用性 (こうれいしゃだいがくにおけるきょうちょうがくしゅうのゆうようせい)

usefulness of collaborative learning in the senior citizens college
キーワード : 高齢者大学グループ学習協調学習社会貢献活動プロダクティヴ・エイジング
藤原博史(ふじわらひろし)
1.高齢者大学における協調学習の事例
  
 
 
 
  【定義】
 高齢者大学は、老人大学やシルバー大学校などとも呼ばれ、主として地方公共団体が設置する高齢者のための生涯学習施設である。その運営は、設置者である地方公共団体の外郭団体が担っている場合が多い。修業年数は高齢者大学により異なるが、通常2年から4年の複数年である。
 また、グループ学習を表す用語として「協同学習」(cooperative learning) が永く用いられているが、近年、「協調学習」(collaborative learning) も用いられる。研究領域によって使用する用語が異なるが、ここでは「協調学習」を用いる。
【事例】
 わが国の高齢者大学では、文化や歴史などの教養講座、陶芸や園芸などの趣味の講座、老後の生活を支える健康や福祉の講座など、高齢者の学習ニーズに対応した履修コースが設けられている。そのような高齢者大学の中にあって、グループ学習を学習課程の中に位置づけ、特色ある生涯学習を行っているのが神戸市シルバーカレッジ(3年制)である。その特徴は、フィールドワークを中心としたグループ学習が最終学年のカリキュラムの大部分を占め、サポーターの学習支援のもと、自己決定型学習を前提に、グループで一つの目標達成をめざす相互依存学習が行われていることである。
 さて、この神戸市シルバーカレッジにおいて、平成20(2008)年、在校生を対象に「キャンパスライフに関するアンケート調査」が行われた。その集計結果をみると、講義中心の授業に「満足している」と答えた学生の割合は、履修コースにより3割から7割の間で差が見られたが、グループ学習については、全履修コースとも約7割の学生が「満足している」と答えた。かつて、学校教育において講義形式の授業しか受けてこなかったであろう高齢学生の多くがグループ学習に「満足している」と答えたことは大変興味深い結果であり、このことは、高齢者大学における協調学習が「おとなの学び」に有用な学習手法であることを示唆する。ついては、神戸市シルバーカレッジのグループ学習を事例に、高齢者大学における協調学習の有用性を検証した。
 具体的には、平成24(2012)年、神戸市シルバーカレッジの学生に対して質問紙調査「生涯学習の学習方法に関するアンケート調査」を行い、その数値データについて量的分析を行った。また、平成23(2011)年、同カレッジのグループ学習を約10か月間観察するとともに、前述のアンケート調査票の記述欄に書かれた言語データについて質的分析を行った。では、その分析結果をみてみよう。
 
 
 
  参考文献
・藤原博史「高齢者大学におけるフィールドワークを取り入れた協調学習の有用性」佛教大学大学院紀要教育学研究科篇、第42号、2014年 
・藤原博史「高齢者大学を卒業したシニアのプロダクティヴ・エイジングに関する研究」佛教大学教育学部学会紀要、第13号、2014年
 
 
 
 
  



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