生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成22年1月7日
 
 

アメリカのチャータースクール (あめりかのちゃーたーすくーる)

charter schools in the United States
キーワード : チャータースクールアメリカ教育制度
中村正之(なかむらまさゆき)
1.チャータースクール設置の経緯
  
 
 
 
   アメリカ合衆国で,チャータースクール(以下,CS)設置に関する経緯を知るには,CSのの特質を探る必要がある。CSとは,教員や保護者,地域団体などが学校の設立を希望し,州や学区の認可(charter)を受けて設置するものである。その特徴として,独自の理念に基づく教育を行うことができる。認可されると公的資金の援助を受けることができるが,設立時に掲げられた目標や児童数などがチャーター交付者によって定期的(3〜5年ごと)に評価され,一定の成果が見られない場合にはチャーターを取り消されることになる。
 「チャーター」という言葉が教育制度上で始めて使用されたのは1970年代である。ニューイングランド州の教育者レイ・バディーの提案による。地元の教育委員会が新しい教育制度を作り上げるために教員を数人のグループに分け,直接雇い入れ(チャーター)したのが始まりといわれる。初めは数人の教師グループをチャーターする形式であったものが,教員組合との話し合いにより,地元の教育委員会などのスポンサーが学校全体を教員組合ごとチャーターするという形式に変化していった。
 1991年,ミネソタ州でCSの設置を認める法律が制定され,翌92年,同州初のCSが設置された。これに続き,92年にカリフォルニア州,93年にコロラド州及びジョージア州などで同様の法律が制定された。その後,設置を認める州も年々増加し,認可される学校数も増加していった。2008年現在,41州に4,519校のCSが開設され,1,221,179名の児童生徒が在籍している(1校当たり平均270名在籍)。また,これまでに閉校した学校も一割を超える560校に上る。
 CSに在籍する児童生徒の特徴としては,公立学校をドロップアウトした者,マイノリティグループ(少数民族)や低所得階級の子女が過半数を占める。その設立背景が,人種や所得階層の産み分けによる教育条件の地域間格差(学区間格差)や基礎学力の低下による学力格差の拡大,薬物,暴力,ドロップアウトなどによる通常の学校の荒廃などがあり,従来の公立学校では十分な対応ができないとの判断があったことからも伺い知ることができる。
 
 
 
  参考文献
・秋山真由「新しいタイプの学校づくりをめざして−日本にチャータースクールは必要か−」常磐大学2007年度卒業論文。
 
 
 
 
  



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.