生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成25年11月15日
 
 

参加型ボランティア活動 (さんかがたぼらんてぃあかつどう)

キーワード : ボランティア活動参加型
藤原靖浩(ふじわらやすひろ)
1.参加型ボランティア活動について
  
 
 
 
   「ボランティア元年」と呼ばれる1995年の阪神淡路大震災以後、日本では、ボランティア活動が高い関心を集めている。現代社会では、ボランティア活動は、社会を支える存在として不可欠なものであると認識されている。学校教育の特別活動でも、子どもが、主体性や社会性の育成自己肯定感や社会的な有用感を得る機会であるとして、積極的なボランティア活動を推進している。
 しかしながら、これまで学校単位で行われてきたボランティア活動や、福祉・環境・開発・人権擁護など、多岐に渡る内容のボランティア活動は、ほとんどの場合、”すでに計画され、準備された活動”である。例えば、中学生・高校生によるボランティア活動は、学校や大人によって企画・計画され、準備を終えたところに、中学生・高校生が行くだけの活動がほとんどである。これは、参加型のボランティア活動ではない。
 参加型のボランティア活動は、ボランティアを行う人々が、”どのようなボランティア活動が必要とされているのか”という視点に立って、企画・計画段階から活動の中心となることで実施されるボランティア活動である。特に、中学生・高校生・大学生が行う参加型のボランティア活動では、企画・計画、準備、実行などを子ども主体で実施することで、子どもの主体性や自発性を育み高めることができる。
 参加型ボランティア活動の必要性は、ロジャー・ハート(Rojer Hart)の理論によって示されている。ハートは、ニューヨーク私立大学で「子どもが参加・参画するまちづくり活動」の実践を提唱した発達心理学者である。ハートは、子どもが社会の構成員として、地域づくりに参加・参画できる能力があることを主張し、世界各国の事例を用いて、子どもの参加・参画に対する理論およびその方法論を示したことで知られている。
 ハートの理論のキーワードは、「持続可能な開発」である。持続可能な開発は、世界環境・開発委員会(1987年)で提唱され、未来の世代の人々が彼らのニーズにあった開発を行うことであると述べられている。また、持続可能な開発を進めるためには、人間を中心とすること、各地域がその地域の資源をよりよく管理できることが必要であることが示されている。すなわち、ハートは、子どもたちが自分の住む地域の環境に触れ、その管理に関わることが自分たちの地域資源を活用する持続可能な開発となり、将来的には、地球規模で持続可能な開発の実施につながるという視点から、参加・参画の必要性を唱えている。
 参加型のボランティア活動は、地域全体で協働して行われるべきである。参加型のボランティア活動を通して、地域に住む人々は、郷土愛を育み、地域における異年齢の人間関係を意識することが可能である。参加型のボランティア活動と地域の関わりについては、次に述べる。
 
 
 
  参考文献
・IPA日本支部・奥田陸子訳『子どもの参画−コミュニティづくりと身近な環境ケアへの参画のための理論と実際』萌文社、2000年。
・原著:Roger A Hart, CHILDREN’S PARTICIPATION : The Theory and Practice of Involving Young Citizens in Community Development and Environment Care, UNICEF, New York, 1997.
 
 
 
 
  



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