生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成20年1月8日
 
 

教育基本法と生涯学習 (きょういくきほんほうとしょうがいがくしゅう)

the Fundamental Law for Education and lifelong learning
キーワード : 教育基本法の改正生涯学習の理念中教審答申生涯学習社会教育振興基本計画
山本恒夫(やまもとつねお)
1.教育基本法の改正
  
 
 
 
  【字義】
 これは、平成18(2006)年12月に行われた初めての教育基本法改正のことを意味している。
【説明】
 昭和22(1947)年に制定された教育基本法(昭和22年法律第25号)は、平成18(2006)年12月22日に初めて改正された。改正された教育基本法(平成18年法律第120号)は、中央教育審議会答申「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」(平成15(2003)年3月20日)に基づいている。
 改正された教育基本法には、新たに「生涯学習の理念」が第1章「教育の目的及び理念」加えられた。第3条の「生涯学習の理念」は次のようになっている。
第3条 国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。
 第1章が総論に当たるのに対し、第2章「教育の実施に関する基本」は各論になっており、学校教育、社会教育、家庭教育等の条文からなっている。ここでは、学校教育以外の規定のみに触れておく。
 社会教育の条文は次のようになっている。
第12条 個人の要望や社会の要請にこたえ、社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない。
2 国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館その他の社会教育施設の設置、学校の施設の利用、学習の機会及び情報の提供その他の適当な方法によって社会教育の振興に努めなければならない。
 今回の改正で、旧教育基本法では社会教育の条文に入っていた家庭教育について、次の条文が新設された。
第10条 父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
 旧教育基本法で家庭教育が社会教育に入っていたのは、学制改革で6・3制についての保護者の理解を得ることが、旧教育基本法制定当時の我が国社会教育の最大の課題だったからである。
 学校をめぐる教育問題の時代的変化は、教育基本法の改正に影響を及ぼしており、学校、家庭、地域の連携協力が必要とされるようになったことから、第13条として「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」が新設された。
第13条 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。
 さらに、教育振興基本計画についても新たな規定が設けられた。
第17条 政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、教育の振興に関する施策についての基本的な方針及び講ずべき施策その他必要な事項について、基本的な計画を定め、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
2  地方公共団体は、前項の計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。
 今後、文部科学省・教育委員会関係の生涯学習振興・推進計画は、この中に位置付けられることになる。
 
 
 
  参考文献
・中央教育審議会答申「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」(平成15年3月20日)
・山本恒夫「参考人意見陳述」、参議院教育基本法に関する特別委員会会議録第七号(平成18年12月1日)
 
 
 
 
  



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