生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成20年4月25日
 
 

子育て学習の構造 (こそだてがくしゅうのこうぞう)

structure of learning for child raising
キーワード : 子育て学習子育てのまちづくり気づき過程能力獲得過程能力ラダー
西村美東士(にしむらみとし)
1.子育て学習の構造化
  
 
 
 
  【子育て学習の構造化】
 子育て学習プログラムの作成にあたっては、親に求められる能力を構造的に把握し、これに基づいて、各学習項目の目標、内容、方法を計画的に設定する必要がある。しかし、一般には、子育て学習プログラムは、主催者側が前例を踏襲する形で、あるいは主観的な問題意識に基づいて作成されることが多いといえる。筆者らは、このような状態を改善するため、職業能力開発手法である「クドバス」((CUDBAS:CUrriculum Development Method Based on Ability Structure、森和夫、1990年)を活用することによって、効果的な作成と学習者の参画が容易にできることを明らかにした。
 その作業過程においては、まず、クドバスチャート(必要能力リスト)(添付ファイル図1)を作成し、これに基づいて科目ごとに必要能力を配置した構造図、科目ごとのテーマ・内容・方法を示したシート、各テーマを配列した学習スケジュール表を作成する。そのことによって、子育てのために必要な能力を分解してとらえた上でこれを構造化し、各科目の到達目標及び到達時の「仕上がり像」が明示化された学習内容を編成して、学習プログラムを作成することができる。
【子育て学習の動態的構造】
 少子化、個人化、多様化が進行する今日の社会においては、親の子育て学習へのニーズやプロセスがより力動的なものとして変化しつつある。そのため、子育て学習支援の場においても、固定的な学習目標、学習内容、学習方法だけでは対応できない状況が生じている。
 最近の子育て学習研究においては、この状況に対応し、学習の構造を次の3つの側面からより動態的にとらえることによって、今日の子育てニーズや社会形成に適合した研究成果を収めつつある。
(1)学習集団内の気づき過程:学習者間の相互受容や自己開示及び指導者の活動が、対自・対他、個別的・社会的、主体的・客体的の気づきに対して与える効果と逆効果について、おもにプロセスの視点から検討する。
(2)「未来の親」である青少年の親能力獲得過程:青少年の社会化過程の研究成果に基づき、現役の親の気づき過程と対照させて、未来の親として必要な能力獲得過程を検討する。
(3)親自身が「子育てのまちづくり」の実践や研究を行う場合の参画効果:親による「子育てのまちづくり」への参画や参画型学習の成果について、そのプロセスや成果から、参画型学習特有の効果と社会的意義について検討する。
 添付資料:子育て学習の構造図表
 
 
 
  参考文献
・技術・技能教育研究所(森和夫)ホームページ http://ginouken.com
・西村美東士「クドバスを活用した子育て学習の内容編成−高校生の子をもつ親のために」、聖徳大学生涯学習研究所紀要『生涯学習研究』3号、pp.41-54、2005年3月
 
 
 
 
  



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