生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:平成21年8月31日
 
 

司書 (ししょ)

certified librarian
キーワード : 司書補図書館図書館法公共図書館公立図書館
薬袋秀樹(みないひでき)
1.司書・司書補の資格と職務内容
  
 
 
 
  【司書・司書補の資格】
 司書・司書補は、図書館法で定められた法律上の資格であり、社会教育施設としての図書館(公立図書館と私立図書館)の専門的職員の資格である。この資格を持つ人を司書・司書補有資格者といい、一般に司書・司書補と呼ぶ。これは、司書となる資格であり、司書の職名を得て、初めて司書となることができる。
 社会教育施設としての図書館(公立図書館と私立図書館)を、一般公衆を対象としていることから、公共図書館と呼ぶ。図書館には、公共図書館、大学図書館、学校図書館、専門図書館、国立図書館の5つの館種があるが、図書館の専門的職員について法律上の制度があるのは公共図書館だけで、他の館種の図書館には専門的職員の資格が定められていない。学校図書館法で定められている学校図書館司書教諭は、「学校図書館の専門的職務」を掌るが、あくまで教諭であり、学校図書館の専任とは限らない。
 わが国の司書には、
1)5つの館種の図書館のうちの公共図書館の専門的職員の資格である
2)図書館の専門的職員に関する法律上の唯一の資格である
という2つの特徴がある。わが国の司書は、公共図書館の専門的職員の資格であり、さまざまな館種の図書館の専門的職員を包括する諸外国の「ライブラリアン」とは異なる。また、公共図書館の中では、これまでは、私立図書館がきわめて少なかったため、司書は、公立図書館の専門的職員の資格と見なされ、公立図書館とのかかわりで論じられることが多かった。
 しかし、司書・司書補の資格は、公共図書館以外でも使用されている。他の館種の図書館には専門的職員の資格がなく、図書館業務は、館種が異なっても、技術上共通する部分が多いため、大学、学校、専門各図書館の職員として司書を採用する場合がある。この場合、司書資格は、各館種の図書館の専門職員に共通する基礎的資格と見なされ、その役割を果たしている。また、大学、学校、国立国会図書館等に勤務する職員に司書の職名を用いる場合もある。この場合は、主に司書の名称が用いられている。このように、公共図書館以外の分野では、司書の資格や名称を法律上の資格よりも広い意味で用いる場合がある。
【司書・司書補の職務内容】
 図書館法は、司書は図書館の専門的事務に従事すること(第4条第2項)、司書補は司書の職務を助けること(第4条第3項)を規定している。司書・司書補の職務内容については、平成10(1998)年まで文部事務次官通牒「司書および司書補の職務内容」(1950)があり(平成10(1998)年に廃止)、図書館の総務的職務も含め、司書と司書補の職務の分担を示していた。基本的に、司書の職務には専門的職務(判断を要する職務)、司書補の職務には非専門的職務(判断を要しない職務)が挙げられていた。司書の実際の職務内容は、図書館によって異なるが、公立図書館の司書は、専門的職務や非専門的職務の区別なく、図書館業務全般を担当する場合が多かった。図書館業務には非専門的職務が多いため、司書の職務の相当部分は非専門的職務となり、専門的職務が十分行われてこなかったが、最近は専門的業務を中心に担当する傾向が見られる。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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